「個別指導塾なら安心」と思っていませんか? 個別指導塾を選ぶ前に知っておいてほしい3つのこと

「うちの子は集団授業についていけないから個別指導がいい。」
「一人ひとりに合わせて丁寧に教えてくれるから安心。」

このような理由で個別指導塾を選ばれる保護者の方は非常に多いと思います。

もちろん、個別指導塾にはたくさんのメリットがあります。

しかし、どんな教育方法にも長所と短所があります。

大切なのは、「個別指導だから安心」と考えるのではなく、その特徴を理解した上で選ぶことです。

今回は、個別指導塾を選ぶ際に知っておいていただきたい3つのポイントをお話しします。

① 子どものペースに合わせることが、本当に良いとは限らない

個別指導最大の魅力は、その子の理解度に合わせて授業を進められることです。

特に勉強が得意なお子さんには、大きなメリットがあります。

学校や集団授業では、一度で理解できても、理解できない子がいるため同じ説明を何度も聞かなければならない場面があります。

その待ち時間は、できる子にとっては大きな時間のロスです。

そのようなお子さんが個別指導で自分のペースでどんどん先へ進めるのは、とても良い使い方だと思います。

しかし一方で、「学校についていけないから個別指導」というケースでは注意が必要です。

理解できないペースに合わせ続けると、学校の授業との差はどんどん開いてしまいます。

その結果、いつまでたっても追いつけないという状況になってしまうことも少なくありません。

個別指導は「ゆっくり進める場所」ではなく、「遅れを取り戻すために集中的に力をつける場所」として活用する方が、学力は伸びやすいと私は考えています。

② 「わかりやすい授業」が、必ずしも良い授業とは限らない

実はこれは、私自身が学生時代に反省したことでもあります。

私は大学生の頃、個別指導塾でアルバイトをしていました。

当時は、「学校の先生より先生の方が分かりやすい!」と言われることが嬉しくて、できるだけ噛み砕いて説明していました。

ところが後になって気づいたことがあります。

それは、説明しすぎると子どもは考えなくなるということです。

もちろん、目の前の問題は解けるようになります。

しかし、それは「その問題が解けるようになった」だけで、自分で考える力が育っているとは限りません。

私はよく食べ物に例えます。

柔らかい物ばかり食べていると、歯やあごは鍛えられません。

勉強も同じです。

先生がすべて噛み砕いて説明してしまうと、子どもの頭は頑張って考える必要がなくなってしまいます。

本当に学力を伸ばす指導とは、「教えること」だけではありません。

子ども自身が考え、悩み、答えにたどり着く経験を積ませることが、長い目で見れば大きな力になります。

③ 勉強だけでなく、姿勢も育てているか

塾は勉強を教える場所ですが、それだけではありません。

勉強に向かう姿勢を育てることも、とても大切な役割です。

個別指導塾では、振替授業が自由だったり、遅刻に比較的寛容だったり、先生を変更できたりするところもあります。

もちろん、事情がある場合には必要な制度ですし、それ自体を否定するつもりはありません。

ただ、それが当たり前になってしまうと、「自分の都合が優先」という考え方が身についてしまうことがあります。

社会に出れば、遅刻は認められません。

上司が気に入らないから替えてほしいということもできません。

仕事が分からないからといって、いつまでもマンツーマンで教えてもらえるわけでもありません。

子どもの頃に「時間を守る」「約束を守る」「自分で責任を持つ」という姿勢を身につけることは、学力以上に将来を左右する大切な力だと私は考えています。

最後に

私は個別指導塾が悪いと言いたいわけではありません。

実際、個別指導だからこそ大きく成績を伸ばすお子さんもたくさんいます。

だからこそ大切なのは、「個別指導か集団授業か」という形ではなく、

その塾がどのような考え方で子どもを育てようとしているのか

という点を見ることです。

目先のテストの点数だけを上げることを目的としているのか。

それとも、自分で考える力や学ぶ姿勢まで育てようとしているのか。

塾選びは、お子さんの数年間だけでなく、その先の人生にも影響する大切な選択です。

ぜひ「どんな授業をしているか」だけではなく、「どんな子どもを育てようとしている塾なのか」という視点でも、塾を選んでいただければと思います。

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