成績を伸ばす子の共通点②
成績を伸ばす子の共通点② 「できる子ほど同じ問題を何度も繰り返す」
「うちの子はちゃんと問題集をやっているんです。」
保護者の方から、このようなお話を聞くことは少なくありません。
もちろん、問題集に取り組むことはとても大切です。しかし、私がもっと大切だと思っているのは、「問題集をやったかどうか」ではなく、「何回繰り返したか」ということです。
以前、私の塾には北野高校で学年1位を取ったことがある生徒がいました。
北野高校は大阪でもトップレベルの高校です。そこで学年1位になるということは、大阪でもトップクラスの学力を持っているということです。
もちろん、毎回ずっと1位だったわけではありません。しかし、そのような成績を取れるほどの実力があったことは間違いありません。
ある日、その生徒に何気なく聞いてみました。
「そんなに成績がいいけど、家ではどんな勉強をしているの?」
すると返ってきた答えは、とても意外なものでした。
「数学の問題集を5回やりました。」
それを聞いた瞬間、「やっぱりそうか」と思いました。
もちろん、5回を一気に続けて解いたわけではありません。
一度終わらせて、時間を空けてもう一度解く。また少し期間を空けて解き直す。
この「間を空けた反復」を何度も繰り返し、知識や考え方を完全に自分のものにしていたのです。
実は、この「繰り返す」という作業は、多くの子どもが嫌がります。
一度解いた問題を見ると、
「それ前にやりました。」
「もう知ってます。」
と言う子が本当に多いのです。
しかし、私はそのたびに心の中で思います。
「1回やったぐらいでは、本当にできるようになったとは言わないよ。」
実際に授業でも、1回目は解けていた問題が、1週間後にはすっかり忘れているということは珍しくありません。
人間の脳は、一度覚えただけでは忘れるようにできています。
だからこそ、何度も思い出す作業が必要なのです。
そして、繰り返すたびに理解は少しずつ深くなっていきます。
1回目は問題文の意味を理解するだけで精一杯だった子も、2回目には考え方が分かるようになり、3回目には自力で解けるようになります。
さらに4回、5回と繰り返していくと、考え方そのものが自然に頭に入るため、問題を見た瞬間に解法が浮かぶようになります。
私はよく、
「能力とはスピードです。」
という話をします。
もちろん、ただ暗記するスピードではありません。
問題を見た瞬間に、「これはあの考え方だ」と素早く判断できる力です。
この力は、生まれつきの才能だけで身につくものではありません。
正しい反復練習によって育っていくものなのです。
だからこそ、大阪トップクラスの生徒ですら5回も繰り返しているのです。
そう考えると、私たち一般の人はどうでしょうか。
もしかすると5回でも足りず、6回、7回、あるいは8回以上繰り返して初めて定着するかもしれません。
それは決して能力が低いということではありません。
人それぞれ定着するまでに必要な回数が違うだけなのです。
ですから、「1回やったから終わり」という考え方では、なかなか本当の学力は身につきません。
もう一つ、お母さん方にお伝えしたいことがあります。
それは、問題集を何冊も買う必要はないということです。
「あの先生がおすすめしていた。」
「テレビで紹介されていた。」
「友達がこの問題集を使っていた。」
そんな理由で次々と新しい問題集を買ってしまうご家庭もあります。
しかし、多くの場合、それは逆効果です。
新しい問題集を始めるたびに、前に学んだ内容を十分に定着させないまま次へ進んでしまうからです。
もちろん、目的によって問題集を使い分けることはあります。
しかし、基本的には、自分に合った一冊を何度も繰り返した方が、はるかに力はつきます。
その意味では、分厚すぎる問題集よりも、繰り返しやすい薄めの問題集の方が向いている場合もあります。
大切なのは、「何冊終わらせたか」ではありません。
「一冊をどこまで自分のものにしたか」です。
成績を伸ばす子には、特別な才能があるように見えるかもしれません。
しかし、実際には誰も見ていないところで、同じ問題を何度も何度も繰り返しています。
派手な勉強法ではありません。
近道でもありません。
ですが、その地道な積み重ねこそが、本物の学力を育てる一番確実な方法なのです。
め塾でも、「分かったつもり」で終わらせるのではなく、「何も見なくても自然にできる」状態になるまで繰り返すことを大切にしています。
この積み重ねが、定期テストだけではなく、高校入試、そしてその先でも通用する本当の学力につながると、私は確信しています。
この他にも、成績を伸ばす子には共通する特徴があります。このシリーズでは、その共通点を一つずつお伝えしていきますので、ぜひ今後もご覧ください。

