本当に効率の良い勉強方法

「効率のいい勉強」が、本当に効率がいいとは限りません
最近は、「効率よく勉強しよう」「時短で成績を上げよう」という言葉をよく耳にします。
確かに、限られた時間の中で勉強する以上、効率は大切です。
しかし、私は長年子どもたちを指導してきて、「本当に効率のいい勉強とは何か」を考えると、多くの人が勘違いしているように感じます。
例えば学校では、社会や理科などでプリントを配り、重要語句だけを穴埋めする授業をされる先生がいらっしゃいます。
黒板にすべてを書く時間を短縮できるので、授業はどんどん進みます。授業時間だけを見れば、とても効率的な方法です。
このやり方自体を否定するつもりはありません。
ただ、「授業が進むこと」と「子どもが覚えること」は、まったく別の話なのです。
黒板を見ながら、自分の手でノートに書き写す。
この作業には時間がかかります。
しかし、手を動かしながら考え、文字を書くことで、脳にはより強く情報が残ります。
もちろん、友達とおしゃべりしながら、何も考えずにただ写しているだけでは意味はありません。
ですが、「覚えよう」「理解しよう」という意識を持ちながら板書を書き写すことは、記憶の定着に大きな効果があります。
これは音読でも同じです。
解説を黙読するだけよりも、声に出して読む方が内容が理解しやすくなります。
目で読み、口で話し、自分の声を耳で聞く。
このように複数の感覚を使うことで、脳への定着は大きく変わります。
私は普段の授業でも、できるだけ声に出して読ませる場面を作っています。
実際、その方が理解も深まり、覚えている期間も長くなると感じています。
ここで考えていただきたいのが、「効率」とはどの期間で考えるのかということです。
45分や50分の授業だけを見れば、プリント学習や黙読の方が速く進むかもしれません。
しかし、その内容を翌日には忘れてしまうのであれば、本当に効率が良かったと言えるでしょうか。
勉強の目的は、その日の授業を終わらせることではありません。
定期テストで結果を出し、高校受験まで知識をしっかり定着させることです。
例えば、最初の勉強でほとんど覚えられず、復習のたびに最初からやり直す子がいます。
一方で、最初に時間をかけてしっかり理解し、半分以上を覚えた状態で復習できる子もいます。
どちらが最終的に少ない時間で受験まで到達できるでしょうか。
答えは明らかです。
最初は少し時間がかかっても、手で書く、声に出して読む、考えながら学ぶ。
こうした勉強の方が、結果として復習時間も短くなり、長い目で見れば圧倒的に効率が良いのです。
最近は「ラクに覚える方法」「効率のいい勉強法」がたくさん紹介されています。
もちろん参考になるものもありますが、私は「面倒だから省略する」のと「効率が良い」は別物だと思っています。
本当に学力が伸びる子は、五感をしっかり使って学習しています。
手を動かし、声を出し、耳で聞き、頭で考える。
この積み重ねが、受験本番で大きな差になります。
お母さんにもぜひ、「今日の授業が早く終わること」ではなく、「受験の日まで覚えていられる勉強になっているか」という視点で、お子さんの勉強を見てあげていただければと思います。
目先の効率ではなく、長い目で見た本当の効率を大切にしてほしい。
それが、私が子どもたちを指導する中で強く感じていることです。

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