理科ができる子は「イメージする力」が違う
理科の勉強で大切なことは何でしょうか。
もちろん知識を覚えることも必要です。しかし、高校入試レベルの理科になると、それだけではなかなか通用しません。
実は、理科が得意な子と苦手な子の大きな違いは、
「イメージする力があるかどうか」
だと私は思っています。
高校入試の理科には、難しい問題がたくさん出てきます。
しかし、その多くは「知識が足りないから解けない」のではなく、「頭の中で状況をイメージできないから解けない」のです。
逆に言えば、問題の状況を正しくイメージできれば、「こう考えたら解けそうだな」という道筋が見えてくることが非常に多いのです。
実際に生徒を見ていると、学校の定期テストでは点数が取れるのに、入試問題になると急に点数が下がる子がいます。
そのような子の多くは、知識不足ではなく、イメージする力が不足しています。
そして厄介なのは、中学3年生の受験直前になってから「イメージする力を身につけよう」としても、なかなか間に合わないということです。
イメージする力は、簡単な問題を解いている時から少しずつ鍛えていくものだからです。
勉強が少しできる子ほど陥りやすい落とし穴があります。
「こんな簡単な問題、考えなくても解ける」
「暗算でできる」
と、考える過程を飛ばしてしまうことです。
しかし、本当に大切なのは簡単な問題の時です。
難しい問題は誰でも考えます。
差がつくのは、簡単な問題を解く時にもしっかり考え方を確認しているかどうかです。
簡単な問題で何度も同じ考え方を繰り返し練習することで、その考え方が定着します。
ところが、量ばかり多い勉強になると、どうしても「早く終わらせよう」という意識が強くなります。
すると、考えることよりも答えを出すことが目的になってしまいます。
私は、
「どれだけ問題を解いたか」よりも、「どれだけ考えたか」
の方が大切だと思っています。
答えが合っていることだけを目標にしてしまうと、本当の意味での学力はなかなか伸びません。
め塾では、理科の問題を解く時に図を書かせることがあります。
例えば問題に図が載っていても、それをもう一度自分で描き直し、そこから変化を書き込んでいくのです。
生徒は最初、とても面倒くさがります。
しかし、こうした作業を繰り返していると、だんだん頭の中で図を描けるようになります。
そうなると強いです。
問題を見ただけで状況が頭に浮かび、考えられるようになるからです。
賢い子が図を書かずに解いていることがあります。
しかし、それを真似してはいけません。
その子たちは図を書かなくても頭の中で図を描いているだけです。
決して考えずに解いているわけではありません。
最近は動画やCGで分かりやすく説明してくれる教材もたくさんあります。
もちろん理解するには非常に便利です。
しかし、長い目で見ると、そればかりに頼るのも考えものです。
例えば日食や月食の仕組みも、CGで見ればすぐ理解できます。
ですが、本当に力をつけるためには、
「地球がここで、太陽がここで、月がここに来ると…」
と、自分の頭の中でイメージする練習も必要なのです。
効率だけを考えれば、動画で理解する方が早いかもしれません。
しかし、将来難しい問題を解く力を育てるためには、自分で考え、自分でイメージする経験が欠かせません。
小学生のうちは、どうしても
「宿題をやった」
「早く終わった」
ということに目が向きがちです。
ですが、本当に大切なのは、
「どれだけ考えたか」
「どれだけ頭の中でイメージしたか」
です。
少し時間がかかっても構いません。
考える習慣、イメージする習慣を身につけた子は、中学・高校と進むにつれて大きく伸びていきます。
お子さんが問題を解く時は、答えだけでなく、
「どう考えたの?」
「頭の中でどんなふうにイメージしたの?」
と聞いてあげてください。
その積み重ねが、将来の本物の学力につながっていくと思います。

