塾に「授業を増やしましょう」と言われたお母さんへ
本当に増やすべきなのは授業数でしょうか?
夏期講習が近づくと、多くの個別指導塾で
「夏休みは授業を増やしましょう」
「この機会にコマ数を追加しましょう」
という提案を受けると思います。
もちろん、授業時間が増えれば学力が上がる可能性はあります。
しかし、それは勉強したことをしっかり吸収できる子の場合です。
もし、お子さんの勉強が穴の開いたバケツのような状態ならどうでしょうか。
どれだけ水を注いでも、勢いよく漏れてしまいます。
授業を追加することは、水をたくさん入れることと同じです。
バケツの穴をふさがなければ、根本的な解決にはなりません。
では、その「穴」とは何なのでしょうか。
穴① 「聞いているつもり」
一番多いのが、このタイプです。
先生の話は聞いています。
ふざけてもいません。
よそ見もしていません。
でも、ぼんやり聞いてしまい、内容が頭に残っていないのです。
授業後に
「今の説明、分かった?」
と聞くと、多くの子が
「分かった」
と答えます。
ところが、
「じゃあ今、何を説明していた?」
と聞くと答えられません。
つまり、聞いているつもりになっているだけなのです。
め塾に入塾してくる生徒の多くも、最初はこの状態です。
話が聞けない子は、文章も読めません。
説明を理解できない子が、授業を増やしただけで成績が上がることはほとんどありません。
まず直すべきなのは、この「聞く力」です。
穴② 「分かったつもり」
話を聞けるようになると、次に出てくるのがこの穴です。
説明を聞き、
「なるほど!」
と思います。
ところが、その直後に同じような問題を解かせると解けません。
本人は本当に理解したと思っています。
嘘をついているわけではありません。
しかし実際には理解できていないのです。
本当に理解したかどうかは、
自分で問題を解けるか
でしか判断できません。
だからこそ、
- 類題を解く
- 自分で説明してみる
- 解説なしでやってみる
という確認作業が必要なのです。
穴③ 「覚えているつもり」
授業中はできた。
その日はできた。
でも、一週間後には全部忘れている。
これも非常に多いケースです。
理解ではなく、答えだけを丸暗記しているためです。
実はこのタイプは、成績が良い子にも少なくありません。
特に暗記力のある子ほど、答えだけを覚えてしまいます。
その場では点数が取れても、時間が経つと忘れてしまいます。
もし次の授業で解けないなら、
入試本番で解けるはずがありません。
理解した内容は、そう簡単には忘れません。
だからこそ、
「本当に覚えているか」
を自分で確認する習慣が必要なのです。
春期講習で本当に必要なのは「穴をふさぐこと」
この3つの穴、
- 聞いているつもり
- 分かったつもり
- 覚えているつもり
を放置したまま授業を増やしても、
穴の開いたバケツに水を注ぎ続けるのと同じです。
水は増えます。
でも、その分だけ勢いよく漏れてしまいます。
だから授業数を増やす前に、
「うちの子のバケツには穴が開いていないだろうか?」
と考えてみてください。
塾選びで見るべきポイント
春期講習の提案を受けたときに、本当に確認してほしいことがあります。
その塾は、
- 話を聞く力を育ててくれるか
- 「分かったつもり」を見抜いてくれるか
- 理解できるまで指導してくれるか
- 忘れない勉強法を教えてくれるか
ここまで指導してくれるでしょうか。
授業数を増やすことも大切です。
しかし、それ以上に大切なのは、勉強の姿勢や勉強方法そのものを改善することです。
そこが変わらなければ、どれだけ春期講習を受けても、成績は思うようには伸びません。
根本から成績を上げたいのであれば、「どれだけ授業を受けるか」ではなく、「どう学ぶか」を教えてくれる塾を選ぶことが、お子さんの未来にとって何より大切だと私は考えています。

