塾選びの基準【大手学習塾編】
合格実績だけで塾を選んでいませんか?
「茨木高校合格者○○名!」
「地域トップ校合格実績No.1!」
塾のチラシやホームページを見ると、このような合格実績が大きく書かれていることがあります。
それを見ると、「茨木高校を目指すなら、この塾に入らないといけないのでは?」と思われる保護者の方も多いのではないでしょうか。
もちろん、大手学習塾には優秀な先生がたくさんいらっしゃいますし、多くの合格者を出していることも事実です。
ですから私は、「大手塾は良くない」と言いたいわけでは決してありません。
ただ、一つだけ知っていただきたいことがあります。
それは、
「その勉強方法がお子さんに合っているかどうか」
という視点です。
大手学習塾の勉強法は非常に合理的
多くの大手学習塾では、短期間で成績を伸ばすために、パターン学習を中心とした授業が行われています。
例えば数学なら、
ある解き方を習う。
その類題を大量に解く。
次のパターンを習う。
また大量に解く。
この繰り返しです。
これは非常に効率の良い勉強法ですし、学校の定期テストや高校入試にも強い方法です。
だからこそ、多くの合格者が出るのでしょう。
でも、全員に合うわけではありません
以前、め塾に転塾してきた中学生がいました。
大手学習塾で一生懸命勉強していた子です。
宿題もきちんとやっています。
毎日何時間も机に向かっています。
ところが、思うように成績が上がらない。
保護者の方も、
「こんなに頑張っているのに、どうしてなんでしょう…。」
と、本当に悩んでおられました。
私は、その子に何日か授業をしていて、あることに気づきました。
問題を一問解くたびに、
「先生、この問題はどのパターンですか?」
と聞くのです。
最初は普通の質問だと思っていました。
でも、それが毎回続く。
つまり、その子は問題を見るたびに、
「これはAかな?」
「Bかな?」
「Cかな?」
と考えていました。
一つひとつを別々の知識として覚えようとしていたのです。
だから問題の種類が増えるほど、頭の中がいっぱいになってしまう。
宿題を頑張っても、整理されない。
これでは苦しくなるのも当然です。
一方、成績が伸びる子は…
以前、トップクラスの生徒に、
「どうしてそんなに大量の宿題をこなせるの?」
と聞いたことがあります。
すると、その子は笑いながら、
「結局、全部同じですよ。」
と答えました。
最初は意味が分かりませんでした。
でも話を聞くと、
「見た目は違っても、考え方は同じ。」
「ここに注目すれば全部解けます。」
ということでした。
その子は、
パターンA
パターンB
パターンC
を別々に覚えていたのではありません。
共通点を見つけ、自分の中で一つにまとめていたのです。
つまり、
具体と抽象を自由に行き来していた
ということです。
だから新しい問題が出ても、
「あ、この考え方だ。」
とすぐに対応できるのです。
本当に必要なのは「勉強のやり方」
転塾してきたその子には、
問題をたくさん解かせることよりも、
「何が同じなのか」
「どこに注目すればいいのか」
「どう整理すればいいのか」
を徹底的に教えました。
最初は時間がかかりました。
でも少しずつ、
「先生、この問題も前と同じですね。」
と言えるようになりました。
その瞬間から、成績は少しずつ伸び始めました。
勉強時間が急に増えたわけではありません。
宿題が倍になったわけでもありません。
変わったのは、
勉強のやり方だけだったのです。
塾選びで本当に見るべきこと
保護者の方は、
「うちの子に合う塾はどこだろう。」
と考えられると思います。
もちろん、それも大切です。
しかし、私はそれ以上に、
「勉強のやり方や考え方まで教えてくれる塾かどうか」
という視点が大切だと思っています。
残念ながら、それは体験授業や説明会だけではなかなか分かりません。
どの塾も、自分たちの良いところを中心に説明するからです。
だからこそ、合格実績やキャンペーンだけで判断するのではなく、
「この塾は、子どもが自分で考えられるようになる指導をしているか。」
「答えだけではなく、一生使える考え方を教えてくれるか。」
そこを見ていただきたいのです。
塾は、高校受験だけのために通う場所ではありません。
受験が終わった後も、自分で考え、自分で学び続けられる力を育てる場所です。
私は、その力を身につけた子どもたちは、高校でも、大学でも、そして社会に出てからも伸び続けると信じています。
だからこそ、塾選びでは「どこが一番有名か」ではなく、「どんな力を育ててくれる塾なのか」を、ぜひ大切にしていただきたいと思います。

