茨高に行くために小学生のうちにしておく事⑦
茨高に行くために、小学生のうちにしておくこと⑦
「人のせいにせず、自分にできることを考える子に育てる」
勉強が伸びる子に育てるために、小学生のうちから大切にしていただきたいことがあります。それは、うまくいかなかったときに、人のせいにせず、自分の行動を振り返る習慣です。
最近、子どもが困ったときに、その子の力を伸ばすことよりも、目の前の不満を取り除くことを優先してしまう場面があるように感じます。
もちろん、わが子がつらそうにしていれば、何とかしてあげたいと思うのは当然です。ただ、そのときの大人の対応によって、子どもが「自分を変えよう」と考えるのか、「周りを変えてもらおう」と考えるのかが変わってきます。
例えば、子どもが「学校の授業がわからない」と言ってきたとします。
そのとき、すぐに「先生の教え方が悪いんやね」と言ってしまっていないでしょうか。
確かに、説明がわかりにくい先生はいらっしゃるでしょう。授業の進め方に改善が必要な場合もあると思います。
ただ、同じ授業を受けていても、理解できている子がいることも事実です。そこで考えていただきたいのは、「先生の教え方をどうにかしてもらうこと」と同時に、「わが子が理解できるようになるために、何が必要なのか」ということです。
少しわかりにくい説明でも、知っていることと結びつけたり、足りない部分を自分で補ったりして理解できる。わからなかったところを整理して、質問できる。そういう力を身につけられたら、子どもは強くなります。
先生の教え方に不満を言うだけでは、その力は育ちません。
学校に苦情を伝えることで、授業の進め方が変わることはあるかもしれません。しかし、それによって、わが子の聞く力や理解する力まで伸びるとは限らないのです。
これは、塾についても同じことが言えます。
もちろん、塾には指導方針や進度の違いがあり、子どもとの相性もあります。環境を変えることが必要な場合もあるでしょう。
ただ、子どもが「わからない」と言うたびに、「それなら塾を変えようか」と考える前に、確認していただきたいことがあります。
先生の話を、理解しようとして聞いているでしょうか。
覚えるように言われたことを、きちんと覚えているでしょうか。
宿題を済ませるだけでなく、間違えた問題をやり直しているでしょうか。
もし、こうした部分に課題があるのなら、塾を変えても同じことが起こる可能性があります。
私がこれまで見てきた範囲でも、自分の取り組み方を変えないまま塾を転々として、大きく伸びた子はなかなかいません。
場所が変わっても、本人の勉強への向き合い方が同じなら、結果も変わりにくいからです。
さらに気になるのは、そうした経験を重ねるうちに、子どもが「自分は変わらなくていい」と受け取ってしまうことです。
「できないのは先生のせい」
「成績が上がらないのは塾のせい」
「覚えられないのは教材のせい」
このように考える習慣がついてしまうと、自分の行動を見直す機会がなくなります。
反対に、伸びる子は、うまくいかなかったときに、自分が次に変えられることを探します。
「説明の途中から、ちゃんと聞けていなかった」
「覚えたつもりで、確認していなかった」
「わからないところを、そのままにしてしまった」
こうして原因を具体的に捉えられれば、次の行動が決まります。聞き方を変える、覚え直す、質問する。その積み重ねが、成績を伸ばしていくのです。
そして、子どもにこの姿勢を身につけてもらうために、大きな影響を持つのが、保護者の方の日頃の言動です。
子どもは、大人が教えたことだけでなく、大人が普段していることを見て育ちます。
うまくいかないことがあったとき、いつも誰かを責めている。自分の行動を振り返らず、周囲への不満ばかり口にしている。そうした姿を見ていれば、子どもも同じような考え方を身につけてしまうことがあります。
もし、わが子に「何でも人のせいにする癖」があると感じたら、「自分も似たようなことを言っていないかな」と、一度振り返ってみていただきたいのです。
これは、お母さんだけに責任があるという話ではありません。お父さんも、私たち指導者も含め、子どもに関わる大人が意識しておきたいことです。
また、子どもをかばう気持ちから、「そんな塾を選んだお母さんが悪かったね」と、親がすべて引き受けてしまうこともあります。
優しさから出た言葉だと思います。しかし、それで話を終えてしまうと、子どもが自分の取り組み方を振り返る機会までなくしてしまいます。
まずは、「わからなくて困ったんやね」と、気持ちを受け止める。そのうえで、「どこからわからなくなった?」「次はどうしたらよさそう?」と、一緒に考えていただきたいのです。
人のせいにしないというのは、「何があっても全部自分が悪い」と思い込むことではありません。不適切な指導や、子どもだけでは解決できない問題には、大人の対応が必要です。
大切なのは、責任を押しつける相手を探すところで終わらず、自分にできることへ目を向けることです。
「誰が悪いか」ばかり考えていても、できることは増えません。
「自分は次に何を変えようか」と考えれば、成長につながる行動を起こせます。
小学生のうちから、この習慣を育てていただきたいと思います。
わが子が困ったときこそ、気持ちを受け止めながら、自分の行動を振り返るように促す。目の前の不満を取り除くだけでなく、次に自分で乗り越える力を育てる。
その積み重ねが、中学生になってからの学力の伸びを支える土台になるのです。

